学科

物理工学科の特徴

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機械と電気が組み合わされた技術は昔からありましたが,最近はさらに物理学やナノテクノロジーを組み合わせてさらに高度なものとなっています. 物理工学科は,このような時代に合った物理学,機械工学,電気電子工学,そしてナノテクノロジーを学べる学科です.

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ナノテクノロジーの“ナノ”とは10億分の1を意味しています. 1ナノメートルとは10億分の1メートルということで,原子を5,6個ならべた長さに相当します. すなわち,ナノテクノロジーとは原子・分子レベルで構造を制御してナノメートルサイズのシステムを作製する技術のことです.
また,微小な構造を作製するためにはその構造を観測する技術も大変重要になってきます. 現在ではナノテクノロジーは半導体に代表される電子デバイスの分野だけなく,情報通信,化学,バイオの分野でも活用されるようになってきています.

最近の家電は・・・

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最近の家電品はハイテクです. 例えば,ハードディスク内蔵DVDレコーダーとか,携帯音楽プレーヤーのiPodなどでは,ハードディスクという磁気記録装置がはいっています. ハードディスクは,例えば上の図のようなような構造をしています. すなわち,高速で回転する磁石の円盤(磁気記録媒体)と,小さな電磁石(磁気 ヘッド)からできています.
映像や音楽の電気信号を磁気ヘッドに加えると,磁気ヘッドがそれにしたがって磁石になります. 磁気ヘッドから出る磁力線,すなわち磁界によって,磁気記録媒体の中の小さな磁石が向きを変え,録画や録音がされます. ここで,電気信号を磁気ヘッドに加えなければなりませんが,これは電気の仕事です.
また,磁気ヘッドは,磁気記録媒体の上10ナノメートル(10nm)くらい,すなわち1億分の1メートルくらい上を浮かんでいます. これは機械の仕事です.
さらに,最近の磁気記録媒体は小さな磁石が図のように並んでいます. 上の磁石と下の磁石は反平行となっていますが,これは量子力学的交換相互作用という物理学の基本法則の一つを利用しています. すなわち物理学の知識も必要です.
そして,この量子力学的交換相互作用を働かせるために,上の磁石と下の磁石の間にルテニウムという原子を3個挟みます. たったの3個です. このように原子レベルで構造を制御するためにはナノテクノロジーという技術が必要です.